About Titan

チタンの誕生と地球 そしてサバイバルの物語


宇宙の誕生・・地球の誕生・・そして40億年前 生命が地球上に姿を現し・・・

小さく、か弱い生き物たちは、生き残るための進化と サバイバルが始まった

長い 長い 長い 長い 長い・・・・・時間が過ぎ去った

その間 原始生命体から 魚・両生類・爬虫類・鳥類・昆虫・哺乳類・・そして人類

様々ないきものたちが サバイバルの戦いを乗り越えて40億年のDNAを引き継ぎ 生き延びた

 

1791年 イギリスのメナカン海岸の砂浜から見出された不思議な砂 メカナイト

1910年 ギリシア神話のタイタンから名付けられた砂は 初めて金属として取り出され永い眠りから姿を現した

そして7年後、英国の科学者Rayleigh卿により「構造色」の研究が端緒についた

それは今から たった100年前のことだった

 

1946年  大きな戦争の後 人類は初めてチタンの本格的工業生産を開始した

人々は たぐい稀なチタンの性質に着目し 兵器や飛行機 船 プラントを作り出した

今から50年前 1960年頃 これまで見えなかった構造色の仕組みも 電子顕微鏡が開発され本格的研究が進んだ

チタンの発色技術 陽極酸化皮膜法が開発された それは人類が作り出した「構造色」のひとつだった

20世紀の終わり頃から 可視光線の波長と同じサイズの加工ができる科学技術 「ナノテク」が発達した

21世紀 チタンは地球に優しく 体に優しく 心にも優しい 金属として人々の生活を豊かにしている

 

いま チタンの色が 新しく 煌彩色 と名付るけられ 生まれ変わろうとしている


チタン 生命 煌き

翡翠の瑠璃色。孔雀の羽の色。モルフォ蝶の輝く青。真珠の放つ高貴な色。玉虫の死んでも変わらぬ緑。鰯の腹の銀色に輝く金属色。これらは自然の生き物が身に纏った「構造色」の一部である。なぜ、彼らは何の為に構造色を身に纏ったのか?

銀色に輝く鰯の腹は、仲間とのコミュニケーション手段として群れを捕食者の危険から守る。通常魚の背は黒くそれは鳥たちが上から見ると青黒い海の色に溶け込み、また海の底から見上げた時には明るい空の色と区別がつかないように、腹側は明るくなっていると言われている。玉虫の緑色は雄と雌が出会う確率を高め、子孫を残し繁栄に導く。孔雀の雄は自分の綺麗な羽を広げて、雌に求愛する。モルフォ蝶の綺麗な青は捕食者からの目くらましか、 雄への求愛信号か?身に纏った構造色は過酷な生存競争、サバイバルを生き抜くための強力な武器だったに違いない。

なぜなら、今、彼らは生き残っているからだ。構造色をまとった彼らは、すべて自然の不思議で精緻、巧妙な作品である。

 


構造色の不思議

私たちが 毎日 目にしている色。 

いろいろな色がありますね。

葉っぱの緑は 葉緑素、血管の赤い色は ヘモグロビン、色紙や絵の具は顔料、風呂敷や浴衣の色は染料・・・

みんな 色素 の色です。

 

 

それでは 虹の色 海の色 夕焼けの色 牛乳の色 空の色は?

綺麗な玉虫 鳥の翡翠や孔雀 鳩の首飾り 真珠の輝きはなんでしょう?

銀色に輝く鰯やサンマのおなか 綺麗だよね!!それからCDも綺麗に光る。

チタンの色も 不思議な色。

これは 構造色といいます。

 

物質の表面に出来た 光の波長と同じくらいの薄い膜や 何層にも重なった膜、細かいスジ、凹凸、入り組んだ形、細かいブツブツに太陽の光線が当たると、ぶつかって反射したり 強め合ったり 弱めあったりして 透明な太陽光線からいろんな色が見えてくる。だから、キラキラ輝いたり 見る角度が変わると 色も変化する。

どうして こんな綺麗な色が出来たのかは よくわからないけど、生き物たちは この綺麗な色で 食べられてしまう危険から逃げ延びたり 食べられないように警戒したり 仲間同士で知らせ合ったりして 生き残ってきた。

またオスはメスと出会う機会を増やし 子孫を増やしてきた。生き物にとっては 生き残り・・・サバイバルの色だ。

どうして こんな色が出るようになったか  不思議 不思議 ???・・・・・

About Titanium Art

構造色を身に纏った いきものたちが 構造色を自分たちに役立てたように 太古の人々もそれを見習ったに違いない。多くの危険と隣り合わせの暮らしの中 どうしたらより多くの食べ物を 安全に手に入れるか。群れや家族の繁栄を願い 子孫を増やし 良い生活をしていこうとする。男は美しい女性と出会い 多くの子供をもうける。危険やリスクを回避し 幸せな生活を手に入れたいと祈願するとき 構造色には不思議な力があると考えただろう。それで、身につけるジュエリーやアクセサリー、装飾品、家具などにも構造色を取り入れた。生命の色・ 愛の色・ 生存の色・希望の色・ 癒しの色・ サバイバルの色 地球が育み人類が育てたチタンの不思議。

今、私たちの生活の様々なシーンで使われているチタンは、金属アレルギーを起こさず、強く軽い。そのチタンが構造色を得た時、アートの域により身近な「身を守る美」として取り入れられる。

 

About Color of Titanium

チタンの色・・・煌彩色は色素の色ではない。彩色したものでもなく、チタンという金属が生み出す色・・・

光・艶のある反射色 見る角度で変化する そして永遠に変色 褪色しない ・・・チタンの発色過程は極めて従来の発色とは異質である。

なぜなら、色素系の発色は染料か顔料によるものであり、何らかの方法で素材に色を付着すること・・・素材と色素の合体による付着発色が主なプロセスである。

色素による色彩の発現は、可視光線の「吸収 反射 透過」などが そのプロセスである。しかしチタンの陽極酸化皮膜形成法は 透明な液体に金属色のチタンを配置し、電気処理でそのまま発色する。テレビのモニターと同じように、金属表面が発色変化し固定する。このような発色プロセスは、他にほとんど無いに等しい。また学校でも殆んど教えていない。構造色の発現は 可視光線の「反射 屈折 回折」などの 光学現象によるものである。